Laravel 環境構築手順書(Win・Mac 対応 / Herd 使用)
本記事では、Windows / Mac 環境で Laravel 開発環境を構築する手順を解説する。
今回は Laravel Herd を使用して環境構築を行う。
Laravel Herd とは
Laravel Herd は、Windows / Mac に対応した Laravel 開発環境構築ツール。
通常の Laravel 環境構築では、下記のような環境を個別にインストール・設定する必要がある。
Laravel Herd を使用すると、これらをまとめて自動設定できる。
- PHP
- Laravel を動かすためのプログラミング言語
- Composer
- Laravel 本体や PHP ライブラリを管理するツール
- Web サーバー
- Laravel のページをブラウザへ表示するための仕組み
- SSL
- https 通信を有効化するセキュリティ機能
- ローカルドメイン
- 開発用 URL(〇〇.test など)を使用できる仕組み
なお、これらは全て自分の PC 内だけで動作する「ローカル開発環境」として構築される。
すぐに Laravel 開発を開始できるため、初学者にも扱いやすい。
環境構築はターミナルで行う
ターミナルとは、コマンドを入力して PC を操作するツール。
Windows では PowerShell や Windows Terminal、Mac ではターミナル.app を使用する。
Herd を使用した Laravel 環境構築は、ターミナルへコマンドを実行することで行う。
Laravel Herd インストール
Laravel Herd 公式サイトへアクセス
まずは、Laravel Herd 公式サイトへアクセスし、Laravel Herd をダウンロードする。
公式サイト
Laravel Herd をダウンロード
OS に合わせたインストーラーをダウンロードする。
ダウンロードファイル
- Windows:Laravel Herd Setup.exe
- Mac:Laravel Herd.dmg
Laravel Herd をインストール
ダウンロードしたインストーラーを実行し、画面の案内に従って Laravel Herd をインストールする。
Laravel Herd を起動
Laravel Herd を起動する。正常に起動すると、タスクバーまたはメニューバーに Herd アイコンが表示される。
Laravel Herd を起動すると、以下の開発環境が自動設定される。
- PHP
- Composer
- Web サーバー(Nginx)
- SSL
- ローカルドメイン(.test)
ただし、この時点では、Laravel を動作させるための開発環境のみが準備された状態。
実際の Laravel プロジェクトは、次の手順で作成する。
まずは、各環境が正しくインストールされているかを、ターミナルを使って確認していく。
ターミナルで環境を確認
Herd でインストールされた PHP や Composer、Laravel で使用するその他の環境が正常にインストールされているかを確認する。
ターミナルを起動し、以下のコマンドを実行して確認する。
PHP を確認
コマンド実行ディレクトリ
どこでもよい
実行コマンド
php -v
実行結果確認
正常にインストールされている場合は、PHP のバージョン情報が表示される。
PHP 8.4.0 (cli)
※ バージョン番号は環境によって異なる
PHP がインストールされていない場合
PHP が認識されない場合は、Laravel Herd が正常に起動していない可能性がある。
Herd を再起動、PC を再起動してから、再度確認する。
Composer を確認
コマンド実行ディレクトリ
どこでもよい
実行コマンド
composer -V
実行結果確認
正常にインストールされている場合は、Composer のバージョン情報が表示される。
Composer version 2.8.0
Composer がインストールされていない場合
Composer が認識されない場合は、Laravel Herd が正常に起動していない可能性がある。
Herd を再起動、PC を再起動してから、再度確認する。
Node.js を確認
Node.js は CSS や JavaScript の開発ツールを動かすための環境で、Herd ではインストールされない。
まず、Node.js がインストールされているかを確認し、インストールされていない場合は、Node.js をインストールする必要がある。
コマンド実行ディレクトリ
どこでもよい
実行コマンド
node -v
npm -v
実行結果確認
正常にインストールされている場合は、Node.js のバージョン情報が表示される。
v22.15.0
10.9.2
Node.js がインストールされていない場合
Windows の場合
Node.js は、公式サイトからインストーラーをダウンロードしてインストールできる。
公式サイト
LTS(推奨版)をダウンロードし、
インストーラーを実行する。
インストール完了後、
PowerShell または Windows Terminal を再起動し、
下記コマンドで正常インストールされているか確認する。
node -v
npm -v
Mac の場合
Node.js は、Mac 用パッケージ管理ツール「Homebrew」を使用してインストールできる。
Homebrew がインストールされていない場合は、
先に Homebrew をインストールする必要がある。
ターミナルで下記のコマンドを実行し、
Homebrew をインストールする。
/bin/bash -c "$(curl -fsSL https://raw.githubusercontent.com/Homebrew/install/HEAD/install.sh)"
Homebrew インストール後、
下記コマンドを実行して Node.js をインストールする。
brew install node
Web サーバー・SSL・ローカルドメイン確認
Web サーバー・SSL・ローカルドメインは、
Laravel プロジェクト作成後にブラウザアクセスで確認できる。
https://my-app.test
URL にある「my-app」は、
作成した Laravel プロジェクトフォルダ名に合わせて変更する。
実際の確認方法については、
後半の「Laravel アクセス」で解説する。
Laravel プロジェクト作成
Laravel プロジェクトとは、Web アプリ一式が入ったフォルダのこと。
Herd では、Herd フォルダ内に Laravel プロジェクトを作成すると、自動でローカルサイトとして認識される。
- Windows の例:C:\Users\ユーザー名\Herd
- Mac の例:~/Herd
Herd フォルダへ移動
ターミナルで Herd フォルダへ移動する。
コマンド実行ディレクトリ
どこでもよい
実行コマンド(Win)
cd C:\Users\ユーザー名\Herd
実行コマンド(Mac)
cd ~/Herd
実行結果確認
ターミナルの現在位置が Herd フォルダへ移動する。
Laravel プロジェクト作成
コマンド実行ディレクトリ
先ほど移動した Herd ディレクトリ内で実行する。
実行コマンド
composer create-project laravel/laravel my-app
「my-app」は、自分で作成するプロジェクトフォルダ名の例。
実際には、自分のアプリ名へ変更して使用する。
実行結果確認
正常に作成された場合は、「my-app」フォルダが作成される。
また、ターミナルに Laravel のインストールログが表示される。
作成に失敗する場合
コマンド入力ミス、Composer や PHP が正常認識されていない、インターネット接続に問題がある、などの可能性がある。
エラーメッセージを確認し、再度実行する。
Laravel プロジェクトへ移動
Laravel のコマンドは、基本的に Laravel プロジェクト内で実行する必要がある。
なので、先ほど作成した Laravel プロジェクトフォルダへ移動する。
コマンド実行ディレクトリ(Win)
C:\Users\ユーザー名\Herd
コマンド実行ディレクトリ(Mac)
~/Herd
実行コマンド
cd my-app
実行結果確認
ターミナルの現在位置が、「my-app」フォルダへ移動する。
アプリケーションキー生成
Laravel の暗号化やログイン認証などで使用するアプリケーションキーを生成する。
Laravel では、このアプリケーションキーを使用してセッションや暗号化処理を安全に行う。
アプリケーションキーは、Laravel プロジェクトごとに生成される。
そのため、新しい Laravel プロジェクトを作成した際は、その都度アプリケーションキー生成が必要になる。
コマンド実行ディレクトリ(Win)
C:\Users\ユーザー名\Herd\my-app
コマンド実行ディレクトリ(Mac)
~/Herd/my-app
実行コマンド
php artisan key:generate
実行結果確認
Application key set successfully.
上記メッセージが表示されれば成功。
npm パッケージインストール
npm パッケージとは、JavaScript 開発で使用する追加機能ファイルのこと。
npm install を実行すると、Laravel のフロント開発に必要な npm パッケージが自動インストールされる。
npm はプロジェクトごとにインストールされるため、プロジェクトごとに npm install を実行する必要がある。
コマンド実行ディレクトリ(Win)
C:\Users\ユーザー名\Herd\my-app
コマンド実行ディレクトリ(Mac)
~/Herd/my-app
実行コマンド
npm install
実行結果確認
正常に完了すると、大量のインストールログが表示される。
また、「node_modules」フォルダが作成される。
DB 設定
Laravel では、データ保存にデータベース(DB)を使用できる。
ログイン機能や投稿機能などを実装する場合は、DB 設定が必要になるので、ここで設定しておく。
DB 設定も、Laravel プロジェクトごとに行う。
Laravel では、「.env」という設定ファイルで DB 接続設定を管理する。
.env ファイルは、Laravel プロジェクトフォルダ直下に最初から作成されている。
my-app/.env
このファイルをテキストエディタで開き、
DB 接続設定を編集する。
MySQL を使用する場合
Laravel では、.env ファイルに設定内容を記述することで DB 接続設定を行う。
.env ファイルは、Laravel プロジェクトフォルダ直下に存在する。
例) ~/Herd/my-app/.env
設定ファイル
my-app/.env
設定内容
.env ファイル内に既に存在する
DB_CONNECTION や DB_DATABASE などの設定を書き換える。
DB_CONNECTION=mysql
DB_HOST=127.0.0.1
DB_PORT=3306
DB_DATABASE=my_app
DB_USERNAME=root
DB_PASSWORD=
設定結果確認
DB_CONNECTION が mysql になっていれば、
MySQL 設定が反映される。
SQLite を使用する場合
SQLite は DB サーバー不要で、ファイル1つで動作する軽量データベース。
学習用途では SQLite の方が簡単。
SQLite ファイル作成
コマンド実行ディレクトリ(Win)
C:\Users\ユーザー名\Herd\my-app
実行コマンド(Win)
New-Item -ItemType File database/database.sqlite
コマンド実行ディレクトリ(Mac)
~/Herd/my-app
実行コマンド(Mac)
touch database/database.sqlite
実行結果確認
「database」フォルダ内に
「database.sqlite」ファイルが作成される。
SQLite を使用する場合は、.env ファイルを下記の通り編集する。
設定ファイル
my-app/.env
設定内容
DB_CONNECTION=sqlite
DB_DATABASE=database/database.sqlite
SQLite の場合、DB_HOST や DB_PASSWORD などは不要。
設定結果確認
DB_CONNECTION が sqlite になっていれば、
SQLite 設定が反映される。
Laravel に .env の変更内容を反映
Laravel の設定キャッシュを削除し、.env の変更内容を反映する。
コマンド実行ディレクトリ(Win)
C:\Users\ユーザー名\Herd\my-app
コマンド実行ディレクトリ(Mac)
~/Herd/my-app
実行コマンド
php artisan config:clear
実行結果確認
Configuration cache cleared successfully.
DB 初期化
Laravel では、ユーザー管理やパスワードリセットなどで使用する標準テーブルが最初から用意されている。
ここでは、これらのテーブルを DB に自動作成する手順を解説する。
ターミナルで Laravel プロジェクトディレクトリへ移動し、
php artisan migrate
を実行すると、Laravel 標準テーブルが DB に自動作成される。
コマンド実行ディレクトリ(Win)
C:\Users\ユーザー名\Herd\my-app
コマンド実行ディレクトリ(Mac)
~/Herd/my-app
実行コマンド
php artisan migrate
実行結果確認
正常に完了すると、migration テーブルや users テーブルなどが作成される。
INFO Preparing database.
Creating migration table ....................................... 5ms DONE
INFO Running migrations.
0001_01_01_000000_create_users_table .......................... DONE
自分で独自テーブルを作成したい場合は、Migration ファイルを追加作成することもできる。
ただし、本記事の趣旨から外れるため、ここでの解説は控える。
Laravel へアクセスし、動作を確認
ここまでで、Laravel 開発環境構築は完了。
最後に、Web ブラウザでローカルに構築したウェブサーバーにアクセスし、Laravel が正常動作しているかを確認する。
アクセス URL
https://my-app.test
my-app は、先ほど作成した Laravel プロジェクトフォルダ名に合わせて変更する。
実行結果確認
Laravel の初期画面が表示されれば Laravel 開発環境構築は完了。
また、この確認により以下の環境も正常に動作していると確認できる。
- Web サーバー
- SSL
- ローカルドメイン
Vite を起動
Laravel では、CSS や JavaScript 開発に「Vite」という開発ツールが標準で用意されている。
Vite を起動していない場合、CSS や JavaScript の変更内容がブラウザへ反映されないことがある。
そのため、Laravel 開発中は Vite を起動しておくことを推奨する。
コマンド実行ディレクトリ(Win)
C:\Users\ユーザー名\Herd\my-app
コマンド実行ディレクトリ(Mac)
~/Herd/my-app
実行コマンド
npm run dev
実行結果確認
正常起動すると、VITE ready のようなメッセージが表示される。
npm run dev は、ターミナルを閉じると停止するため、開発中は Vite を起動したターミナルを開いたままにしておく。
Herd に配置したフォルダは自動でサイト化される
Herd では、下記ディレクトリに配置したフォルダが、自動で Web サイトとして認識される。
Laravel 開発時は、基本的にこのディレクトリ内へ Laravel プロジェクトを作成する。
Windows
C:\Users\ユーザー名\Herd
Mac
~/Herd
my-app
↓
https://my-app.test
Laravel 開発でよく使うコマンド
以下のコマンドは、ターミナルで Laravel プロジェクトフォルダ内に移動した状態で実行する。
キャッシュ削除
Laravel の設定やルーティング情報などのキャッシュを削除する。
.env や config ファイル変更後、設定が正常反映されない場合などに使用する。
php artisan optimize:clear
ルート確認
Laravel に登録されている URL 一覧を確認する。
Route 設定確認や、URL が正常登録されているか確認したい場合に使用する。
php artisan route:list
Tinker
Laravel を対話形式で操作できる開発用ツール。
DB データ確認や、Laravel のコードを簡易実行したい場合に使用する。
php artisan tinker
Laravel 環境を公開するには
ここまで、
ローカルでの Laravel 開発環境構築について解説してきた。
ただし、
現在の状態は、
自分の PC 内だけで動作しているローカル開発環境。
そのため、
他の人はアクセスできない。
Laravel アプリをインターネット公開するには、
作成した Laravel プロジェクトをサーバーへ配置する必要がある。
基本的な流れは以下。
ローカル環境で開発
↓
Laravel プロジェクトをサーバーへ配置
↓
DB や .env を本番環境用へ設定
↓
Web サーバー設定
↓
公開
Laravel を公開する場合、
サーバー側にも Laravel が動作できる環境が必要になる。
例えば、
以下のような環境が必要。
- PHP
- Composer
- Web サーバー(Apache / Nginx)
- MySQL などの DB
- SSL
つまり、
Herd がローカルで自動構築してくれていた環境を、
本番サーバー側にも用意するイメージ。
ローカル環境では、
https://my-app.test
のような URL でアクセスしていたが、
公開後は、
https://example.com
のような実際のドメインでアクセスできるようになる。
なお、
Herd はローカル開発用ツールであり、
Herd 自体がインターネット公開を行うわけではない。
Laravel 公開では、
VPS やクラウドサーバーへ配置するケースが多い。
代表例としては以下。
- AWS
- ConoHa VPS
- さくら VPS
- Xserver VPS
- Render
まとめ:開発開始までの最低手順
Laravel Herd を使用した場合、最低限の Laravel 開発環境は以下の手順で構築できる。
DB 設定や npm パッケージインストールなど、各工程で何を行っているかを理解しながら進めることが重要。
まずは全体の流れを把握しておく。
Windows
cd C:\Users\ユーザー名\Herd
composer create-project laravel/laravel my-app
cd my-app
php artisan key:generate
npm install
php artisan migrate
npm run dev
Mac
cd ~/Herd
composer create-project laravel/laravel my-app
cd my-app
php artisan key:generate
npm install
php artisan migrate
npm run dev
ここまで完了後、Web ブラウザで以下へアクセスする。
https://my-app.test
Laravel 初期画面が表示されれば、Laravel 開発環境の構築は完了。
あとは、Vite を起動した状態で、Laravel 開発を開始していく。